何気なく知ってるという程度の「赤線」や「青線」。
新宿の繁華街の歴史も。
それを体系的に、場所も時代も特定する作業を行い、読み終わると、頭の中で整理出来るような状態にしてくれる、必携の一冊。
学生時代に過ごした時間。
音楽や店、人間関係。
そのノスタルジアでバーなどに行く。
そこには、若い子も多く来ている。
若い人は、チェーン店などの居酒屋などに無い、新鮮さを感じるようである。
ただ、そのような店が多くある一角には歴史がある。
どのようにしてそのエリアが出来たのか、別に今の人には関係もない。
でも、私など、なぜここにこういうエリアが出来たのだろう。
そして現在まで残っているのだろうと考えてしまう。
新宿は新陳代謝が激しい街である。
昔、赤線エリアがあったと聞いてはいたが名残りみたいなものを感じられない。
「売春はいけないことだ」
「売春をする女性はダメな人だ」
と、立派なことを表向きは言う。
そんな社会である。
どう言う経緯で赤線が出来たのか。
そこで生きていた人はどんな人だったのか。
その真実の姿を知ろうともせずに、潔癖社会は否定する。
筆者が言いたいことは、
歴史から消されてしまった赤線やそこで生きていた人々、それを私たちは、知ることの大切さを訴えているように思えた。
そして、歴史から消してはいけないこと、忘れてはいけないということではないか。