「サブスク」(サブスクリプション)が色々な分野で支持を広げているといいます。
SDGs、循環経済の消費行動として注目されているのでしょう。
でもサブスクって新しい消費行動なのでしょうか?
実は江戸時代の町民はサブスクを利用して生活していたのです。
江戸時代のサブスク事業者「損料屋」
江戸時代に「損料屋」というのがありました。
これがサブスク事業者なのです。
歴史小説などにも登場します。
江戸の町民には無くてはならないものだったようですよ。
時折りの冠婚葬祭の着物などだけではありません。
日常生活に使う布団や鍋・釜、かまどの料理道具、果てはフンドシまで扱っていたようです。
江戸時代の町民の生活を支えたのが「損料屋」です。
なぜ江戸時代にサブスクがあった?
江戸時代の町民の住まいの広さが関係しているのでしょう。
江戸の町民は長屋を住まいとしていました。
広さは台所などの土間の他、寝食するスペースは畳4.5枚分の広さです。
広くても6畳だったようです。
深川江戸資料館に長屋が再現されていますので一度ご覧になって下さい。
「こんなところに夫婦と子供で住んでいたの?」と驚いてしまいますよ。
モノを持たない生活だったのでしょう。
モノを持ちたくても持てなかったというのが正しいですかね。
火事が絶えないことも要因?
「火事と喧嘩は江戸の華」と語られるほど火事が多かったようです。
木と紙で出来た都市で冬は北風で大火になる要素は揃っていました。
大店は火事で屋敷や店が燃えてもすぐに建てられるように木場に木材を手当していたそうです。
一方、町民はわずかな大切なものを持って逃げるだけですよ。
サブスクを利用していたの一般の町民でした。
これもサブスクが広まっていた理由の一つですかね。
モノが溢れるほど生産されていなかった
現在は商品が溢れるほど生産されていて、「モノ消費」から「コト消費」に移っています。
現在は「あえて所有しない」サブスクですが、江戸時代はモノが溢れるほど生産されていなかったわけです。
糞尿や金具、紙と、ありとあらゆるモノに対して江戸の町は循環経済だったようですね。
棄てることなく、ほぼすべて再利用するしかない時代だったわけですね。
逆の言い方をするともはやサブスクするしかなかったのかも知れません。
今ほど、物質社会ではなく、社会が豊かで無かったのが底辺にあるにでしょうけど。
大量生産・大量消費型の経済に至っていなかったことからなのでしょう。
結果的に江戸の町民は実にエコな社会を形作っていたのではないでしょうか。
もちろん、生活に困窮する多くの人々がいて、悲しい現実生活を強いられていたことを忘れてはいけないです。
まとめ
現代社会にマッチしているサブスク。
でも江戸の時代の社会もサブスクを必要としたわけです。
その時代や社会の反映として、店舗とかビズネスが生まれ、広がるのでしょう。
商業の業界では平成期から「モノ消費」から「コト消費」の社会になったと言われてます。
心の豊かさを求めている時代なのです。
精神的な視点だけでなく、SDGsなどの要請からも循環経済が求められています。
循環経済への志向は、世界的な潮流になっています。
この循環経済の展開の一つとしてサブスクが広まっています。
そして、新しいビジネスモデルが構築されてきています。
企業だけでなく、消費者にも社会への貢献だけでなく、メリットが多くあるサブスクになっています。
これからは新しいビジネスモデルを生み出していかないと企業も生き残れなくなってきています。
でも、新しいビジネスモデルも、江戸の町民の生活を調べ直すことで、新たな気付きとかもあるかも知れません。
過去の社会を探ってみてはいかがですか。
きっと、何か有用な発見があるかも知れませんよ。