新型コロナの影響がいたるところに出ている。
人類に対して、経済的にも大きな脅威となっている。
日本での広がりは現段階ではそう大きくは無い。
が、東京のような人口密集地においては、いつ、爆発的な蔓延が起きても不思議では無い。
大阪などのライブハウスでのクラスターとは違い、どこで感染したのかわからない事態が発生したら。
そんな可能性に東京という街は晒されている。
そこで、思ったことがある。
地球が誕生したのは、46億年前と言われている。
生命が誕生したのは、それから10億年ほど経ってから。
しかも、30億年の間、生物は単純な形から進化しなかった。
それが、カンブリア紀に、突如、生物は「目」を持った。
今から6億年前のことである。
カンブリア爆発といわれる、多様な生物が現れたのである。
光合成行う植物。
光を感じるための細胞が植物にはある。
植物プランクトンを動物が食べた。
植物が持つ遺伝子を動物がDNAに取り込んだのである。
非常に稀な偶然が発生したのだ。
光を感じる動物は、強い武器を持つことになった。
時代はさらに進み、哺乳類が現れる。
今から約2億年前の三畳紀のことである。
卵を産んでいた時と較べると、体内で子供を守ることが可能になった。
哺乳類といえば胎盤である。
この胎盤、ウイルスへの感染がきっかけだったとのことである。
普通は、体内に異物=子供があれば、それを攻撃する。
臓器移植や輸血などがいい例であろう。
異質な物質が体内に侵入するとそれを排除するために異物を攻撃するのである。
しかし、体内にいる異物である子供を胎盤で育てている。
ある時、レトロウイルスに哺乳類が感染した。
結果、感染した多くの哺乳類が死んでいった。
しかし、わずかに生き残った哺乳類がいた。
奇跡が起きた。
レトロウイルスが、たまたま、体内の生殖細胞に入り込んだ。
そして、ウイルスの遺伝子が哺乳類に取り込まれてしまった。
胎盤を形作る遺伝子の中にレトロウイルスが多く発現しているというのである。
これは、免疫機能を低下させることになる。
胎盤にて異物である子供を育てるということが出来るようになったのである。
ウイルス感染という危機が、進化のきっかけともなった。
今回の新型コロナがこのような生物の進化をもたらす、と言いたいのでは無い。
新型コロナという人類への危機。
イタリアなどの国では、多くの人の生命を奪った。
非常に残念な事である。
生命にだけで無く、経済活動においても大きなダメージを私たちにもたらしている。
でも、この危機への対応が今後の人間の活動に何らかの変化をもたらす。
そして、それが人間にとってプラスの方向に向かうきっかけになるかも知れない。
新型コロナは、多大なマイナスを世界中で撒き散らしている。
でも、この脅威は、人間にとって新たな機会・チャンスと捉えることも出来るだろう。
グローバル化によって、わずかの期間に世界中に広まった。
新型コロナだけで無い。
色々な危険なウイルスが他にもあるだろう。
新型コロナという人類への脅威に対する対処を経験することは、今後の同様の脅威に対する教訓となる。
病理的な意味だけで無く、社会システムなどでの免疫力を人類が持つことが今後の脅威への免疫となるかも知れない。
私は、期待したい。