昭和期にチェーン店として独自色を出していた、「アンナミラーズ」の最後の店舗が閉店とのニュースがありました。
アンナミラーズ、といっても知らない方が多いでしょう。
1980年代に学生時代を過ごした人にとっては想い出の場かも知れません。
アンナミラーズはコーヒーのお代わり自由だったカフェでした。
今ではドリンクバーを利用して当たり前のようですが、ホールスタッフさんにお代わりをお願いしていました。
スイーツやパイが売りだったのかな。
ちょっと他のチェーン店よりも価格帯は高かった記憶があります。
でも、一番特徴的なのはスタッフの制服でした。
気になる方は「アンナミラーズ 制服」とネットで検索すると出て来ますよ。
このアンナミラーズの閉店のニュースに触れて思いました。
時代なんだなぁと。
1980年代、私は学生でした。
環八の用賀のインターの近くに、「瀬田アメリカ村」がありました。
と言っても今は存在しません。
デニーズとYesterdayと確かもう1店あって、「瀬田アメリカ村」と呼んでいたと記憶しています。
狭いエリアに何店か集まっていたのです。
アーリーアメリカン調の建物で、オシャレだったのです。
私が若かりし頃の一般的なデートの一つにドライブデートがありました。
自分のお気に入りの音楽をカセットテープで流しながら、ドライブするのです。
そして帰りには、瀬田アメリカ村のレストランで夕食。
私は、Yesterdayというレストランによく行きました。
Yesterdayはすかいらーくが運営していたブランドの一つです。
当時のファミリーレストランのすかいらーくより価格も高く、店舗の作りも違っていました。
でも、Yesterdayも無くなり、アーリーアメリカン調のデニーズも時代と共に消えていきました。
アンナミラーズと同様に色んな想い出が思い浮かびます。
そうそう、喫茶店では、「カフェラミル」という、だいぶ高価格な店も行きました。
今もあるようですけど。
ドライブデートと違って、街中でのデートの時の気が利いた喫茶店として。
商業というのは時代を写すのですね。
あらためて、先程のニュースに触れて感じた次第です。
若者は自動車を欲して、デートは湘南にドライブ。
子供がいる家族は、ダイエーやイトーヨーカドーやジャスコ、マイカルといった総合スーパー(GMS)に車で行って買い物。
年始の初売りに百貨店に行ったり、終日過ごすには船橋のららぽーとで。
これこそ、当時の人々の家族構成、働き方、価値観、ライフスタイルに基づいた行動であり、結果、合致したレストランや商業施設が支持を得ていたのですね。
一つの例として、マルイがあります。
1980年代のマルイの中心顧客は20代・30代でした。
私もマルイで紺ブレや靴など買っていました。
でも現在は顧客層の相当高年齢化が進んでいるそうです。
そして、マルイとしては若年層だけでなくユニセックスやLGBTに広げようと取り組んでいるようです。
車中心の時代だった、私が若かった頃。
インターネットのゲームやスマホも無かった時代。
商業やリアル店舗もその時代を写した鏡みたいですね。
このように、その時代時代の人々の価値観や生活スタイルに支持を得なくなった店舗などは消えていくのです。
現在の商業やリアル店舗。
これまでの当たり前が通用しない。
そして新しい商業やリアル店舗を模索していかなくてはいけませんね。
2022年6月18日